手に職をつけようとドローンの操縦技術を習得しようと思っている人もいると思います。

ドローン業界は今仕事が引く手あまたで、人材不足に陥っています。周りを見てもドローンを仕事にしている人はいないでしょう。

ドローンを使った仕事に転職を考えている人は、ドローンを使った仕事の種類や資格の種類・取得方法、法律や規制など知っておく必要があります。

この記事ではドローンを使った仕事に興味がある人向けに、広く浅くドローンの仕事や資格、法律についてわかるように解説しています。

ドローン資格を使った仕事

ドローンを使った仕事は主にドローンについているカメラ機能を利用したものがほとんどです。

ただ、その使い方によっては国の重要な仕事から、映像作品などのクリエイティブ系まで多岐に渡ります。

空撮カメラマン

ドローンと聞いて真っ先にイメージするのが空撮の映像ですよね。

求人数など需要も多いのがこの空撮で、テレビ番組から企業のプロモーション、アーティストのミュージックビデオまで多種多様です。

撮影技術はもちろん、クライアントの望む映像を提案したり、時には映像編集などをする場合もあります。

独立して撮影から編集までこなして映像を納品する場合と、制作会社などのカメラマンとして属してドローン撮影をする場合があります。

仕事 内容
テレビCM スタイリッシュでインパクトのある映像が求められるテレビCMではドローンによる撮影が頻繁に使われます。広大な自然の空撮や街中の俯瞰映像、車などを追跡したスピード感のある映像など、撮影技術も高度です。
企業プロモーション映像制作 企業のプロモーション映像にもドローンが使用されることが多くなってきています。例えば広大な倉庫や工場の紹介、自社農場の広大さをアピールするための映像、テーマパークやホテルなどの観光スポットなどドローンは簡単にスケール感のある映像が撮れるので重宝されます。
イベント空撮 音楽イベントやスポーツイベントなどでもドローンの空撮は威力を発揮します。東京オリンピックを控えて、マラソンやサッカー、ボートレースやモータースポーツなど、客席では味わえない臨場感あふれる映像を撮ることができるので期待が高まっています。
テレビ番組 テレビ番組でもドローンの映像はよく見られるようになりました。バラエティや情報番組はもちろん、報道でも災害や事故の現場の状況をより詳細に伝えるためにドローンは役立っています。
ミュージックビデオ 音楽業界でもドローンの空撮は重宝されています。最近はミュージックビデオにあまり予算をかけられなくなっていますが、ドローンなら低予算でも迫力のある映像が撮れるので需要は多いです。
VR素材制作 VRもドローンと同様盛り上がっていますが、VRを楽しむためには素材の映像が必要です。ビルの屋上や空を飛ぶ映像など、VRならではの臨場感ある体験はドローン無しでは生まれないんですよね。

行政機関のドローン仕事

行政機関でもドローンを積極的に使って効率よく仕事を進めています。

高速道路などのインフラや、災害状況の把握、海や山での捜索活動など、警察・自衛隊などにもドローンは不可欠です。

最近は日本での災害のニュースが後を絶ちませんが、がけ崩れや土砂災害、河川の氾濫など広範囲にわたって被害がある場合には、状況判断にドローンを使うことがあります。

各都道府県の自治体レベルでも実証実験が行われるようになってきています。

また、山や海での遭難事故などでもドローンは活躍します。徒歩では時間がかかる場所でもドローンなら素早く広範囲を見ることができるので、捜索活動に役立ちます。

そのほか、老朽化した高速道路や橋などのインフラ設備の点検にも最近はドローンを使って、ひび割れや破損状況を確認しています。クレーンやゴンドラなどを使用しなくて済むのでコスト削減につながっています。

産業用ドローンの仕事

企業でも積極的にドローンを使った効率化が進んでいます。

農薬散布

広大な農場に農薬を散布するには無人ヘリコプターが利用されていましたが、非常に高額で操縦も難しいものでした。

しかし、現在はドローンを使うことで費用が大幅に削減できるようになり、操縦も比較的簡単になっています。

明確に資格が必要ということはないのですが、農林水産省の認定を受けたものが空中農薬散布をするように指針があります(劇薬などを取り扱うため)。

(参考)空中散布等における無人航空機利用技術指導指針:農林水産省

測量

建築現場などの事前調査でドローンを使う場合があります。最近ではGPSを使ったり、3Dマッピングの技術などで土地の立体的な測量が可能になっています。

建築物の調査点検

高層ビルやマンション、大きな吊り橋、高架など、クレーンを使って膨大なコストをかけて検査していた場所でも、ドローンを使えば大幅にコストを削減できます。

危険な場所にある外壁や照明、アンテナなどはドローンが人の目となり、安全な場所から確認することができます。

また、原発など人が近づけない施設でもドローンやロボットが活躍しています。

警備におけるドローン仕事

警備分野におけるドローンの活用は、操縦というよりもAIによる自動監視が主となっています。

警備の巡回場所をプログラミングしておき、自動で監視を行うというものです。

赤外線映像や感熱映像、動くものを追跡撮影など、人の目よりも高度な監視ができるので注目されています。

ドローン仕事の求人数や給与は?

ドローンの資格を取得すれば仕事につながるかどうかは、求人数を見るとわかります。

2018年10月現在、求人サイトの「indeed」で「ドローン」と検索すると2700件ほど出てきました。

中にはドローンの販売など、操縦とは関係ない求人もありますが、それを差し引いても数としてはかなりあるという印象です。

ただ、勤務地としては制作会社やテレビ局などがある東京が一番多く、次いで大阪や愛知など大都市圏に集中しています。

地方の自然の空撮を撮影するにしても、東京から派遣されて撮影する場合が多いので、地方在住者にとっては厳しいかもしれません。

給与に関しては仕事の種類によって異なるので、一概には言えませんが、一般的なサラリーマンとあまり変わらないといったところでしょう。

ただ、映像制作会社を起業したり、独立してクリエイティブな映像を撮るような仕事を請け負うようになれば高収入も夢ではありません。

また、ドローンの操縦を専門とせずに、測量士と兼務、映像クリエイターと兼務、農家と兼務など、ドローンをひとつの付加価値として自分のキャリアにプラスするという考え方もあります。

ドローンの資格、仕事の将来性

ドローンの将来性は気になるところですが、現状は人手不足で引く手あまたといった状況でしょう。

今後はドローンの性能も飛躍的に上がりますし、安定性も増すので操縦そのものは容易になってくる可能性があります。

さらにAIによる自動運転も可能になってくるので、操縦そのものの技術はあまり必要性がなくなるかもしれません。

ただし、ドローンを使う理由はやはり映像撮影なので、映像のイメージを考えるのはあくまで人間ですから、クリエイティブなセンスがより求められてくるでしょう。

とはいえ、航空法や電波法などドローンを取り巻くルールは今後複雑化していくと思われるので、資格も難しくなり知識もより必要になるので、その前に資格を取っておくのはいいと思います。

ドローンの資格

ドローンの資格と種類

ドローンを飛ばすには危険性もあるので、航空法や条例などによって規制があります。

ドローン自体はまだ未成熟な業界なので、資格が必ず必要という場面はありませんが、ドローン操縦士を雇う側にとっては事故や法律違反などのリスクがあるので、資格がある(知識がある)人にお願いしたいというのが本音でしょう。

また、ドローンの使用許可がいる場所では、国土交通省などに許可をもらう必要があるのですが、そこでも知識や操縦経験がないと審査に通らないので資格を取るというのは一つの審査基準になりえます。

今後はドローンの法整備も進んでいくと思われるので、今のうちに資格を取っておけば、のちのち国家資格などができたときに有利になると思います。

無人航空従事者試験(ドローン検定)

この資格はドローン検定協会が行っている認定試験で、無人航空機に関する知識と技能を証明するものです。

1級~4級まであり、2級は3級合格者、1級は2級合格者でないと受験できません。

独学でテキストを勉強するだけでも3級までは比較的容易に合格できます。

ドローン検定のメリット
  • 国土交通省への許可承認申請時に操縦者の証明として利用できる
  • 基礎技法講習などの座学が免除
  • ドローンを安全に運行する最低限の知識が身につく
  • 名刺や履歴書に書くことができる

DPA操縦士資格

DPAドローン操縦士協会が立ち上げている資格認定制度は、個人や企業が最先端で安心安全なドローン活用をするために2016年から発足されたものです。

一般社団法人であるため、協会には各省庁の元官僚や大学教授が在籍しているので、将来的にはドローンの資格として一番権威のあるものになると言われています。

この資格は座学だけでは取得できず、DPAの認定校で実技なども受講する必要があります

認定資格は国が「小型無人機による環境整備に向けた官民協議会」で定めた「小型無人機の利活用と技術開発のロードマップ」に基づいて制度設計が行われていて、飛行レベル(技術)、機体の形状によって資格を種別しています。

資格の種類 内容
操縦士資格 回転翼航空機の飛行に必要な知識と操縦する基礎技術を認定するもの。レベルにより3等級に分けられる。
インストラクター資格 回転翼航空機の実技を教えるための技能と座学を教えるための知識を認定するもの。レベルにより3等級に分かれる
整備士資格 回転翼航空機に共通の設計記述を理解して、ドローンを安全に航行させる状態に整備する技術を認定する。(現在は制度設計中)

JUIDA操縦技能証明証&安全運航管理者証明証

一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定制度で、「無人航空機操縦技能証明証」「無人航空機安全運航管理者」の資格があります。

JUIDAの認定スクールを受講し、筆記と実技の試験を合格すれば資格を取得できます。

資格の種類 内容
無人航空機操縦技能 無人航空機を安全に飛行させるための知識と操縦技能を有する者
無人航空機安全運航管理者 無人航空機の運航に関わる十分な安全と法律の知識を有し、飛行業務の安全を管理する者

産業用マルチローター技能認定証

農場での農薬散布などでドローンや無人ヘリコプターを操縦する人に向けて、農林水産航空協会が設定した認定資格です。

農林水産航空協会が指定した教習施設でカリキュラムをこなし、試験に合格すると得られる資格です。

ドローンや無人ヘリの機種ごとに資格があります。(座学は同じなので他機種を受ける場合は学科免除あり)

国が定めている「空中散布等における無人航空機利用技術指針」では、ドローンや無人ヘリの操縦者には「農林水産省の認定を受けた者」という内容があり、この資格があったほうがよいと思われます(法的に必須ではない)。

農薬散布は劇物などを取り扱うことにもなるので、しっかりとした技術と資格を持っておきたいところです。

UTC認定証

UTCはドローンの機体を製造しているメーカーDJIによって設立された、ドローンの産業パイロット教育や訓練をする機関です。

UTCの認定校でUTCの提供する教育プログラムを受講し、筆記試験と実技試験を合格すれば認定証を取得できます。認定の有効期限は2年間で、以降継続するには更新手続きが必要になります。

UAV写真測量 ドローンを使った写真測量の知識や操縦方法、法律などを学び、操縦技術と知識を認定するもの。
DJI CAMPスペシャリスト認定証 10時間以上の飛行操縦経験があり、DJI製品のマルチコプター飛行業務に従事できるものに認定。2日間の座学、筆記試験、実技試験をパスすれば認定証がもらえます。
DJI CAMPインストラクター認定証 50時間以上の飛行操縦経験があり、過去に国土交通省に無人航空機の飛行許可申請をしたことがある操縦者が対象で、さらに教育プログラムを受講後、筆記試験、実技試験を合格すれば認定証を発行されます。非公開講座となっており、受講候補者には面談など厳しい審査があります。

その他無線免許が必要な場合

ドローンの操作は無線で行いますが、特殊なドローンでは無線免許が必要な場合があります。

ドローンに使われる電波は2種類あり、「2.4GHz帯」「5.6~5.8GHz帯」に分けられます。

このうち送信出力の強い「5.6~5.8GHz帯」の電波を使用するドローンを使用する場合には無線技士の免許が必要になります。

アマチュア無線免許(FPV飛行)

FPV飛行というのは、ドローンが映し出した映像をゴーグルなどで見ながら操縦する方法です。

このFPV飛行に使われるゴーグルは5.8GHz帯の無線電波が使用されています。

これらはドローンレースなどに使用されることが多いドローンで、ドローンを使用するなら資格としては「第4級以上のアマチュア無線従事者免許」と「無線局の開局手続き」が必要になります。

さらに国内でも承認なしで使用できる「技適マーク」のついた製品を使用することが望ましいです。

陸上特殊無線技士免許

業務用など長距離航行や高精度の映像配信を目的とするドローンを使用する場合には、「第3級以上の陸上特殊無線技士免許」が必要になります。